第4回 「“働く”を問い直す」の学び

○テーブル・チェックインの有効性


今回は、全員一言ずつの自己紹介(全体チェックイン)ではなく、受付後からテーブル(4人組)に移動してもらい、「名札」と「2つの真と1つの偽」を作成してもらう形式で、テーブルごとの自然なチェックインを試みた。すると、やはり、テーブルという一つの小さなグループサイズからのスタートだからか、各テーブルごとに温まった状態で、はじめることができた気がした。それは、テーブルでの「個別ワーク」も関係しているのだと思う。自分のを作成しながら、他人のも気にとめながら、進めていく。終わったら、作成したものを使って、コミュニケーションも可能である。


○グランド・ルールの重要性


アンケートに、「ルールをしっかり言ってほしかった」という声があった。今回は、テーブルごとにテーマを出す形式のワールド・カフェだったので、「テーマだし」の時点で「もう、対話は始まっている。ここで、つべこべ言わないほうがいい」と僕は判断したけど、やっぱり、最低限の「グランド・ルール」はあっても良かったかなと思った。ワークショップに慣れている人は、逆に、自分が経験してきた「グランド・ルール」を無意識に適用してしまうかもしれないし、初めての人は、少しだけでも意識することを言ったほうが話しやすいのかもしれない。


○「テーマ出し」の「対話」は困難だった


今回は、テーマ(問い)を各テーブルごとに決めてもらった。そこでのルールはたった一つ。「妥協ではなく、全員納得で」というものだ。合計30分で、ポストイットで個人からの案を出し、個人の限界が来たら、グループで見せ合って、一つの問いを決めていく。ここで失敗したなと思う点は、時間のメリハリをつけるべきだった、という点。たくさんアイデアを出せる人は出しすぎて、逆に、まとめずらい感じがあった。そして、このときの「対話」は、決めていかなければならない「対話」なので、答えを導き出さない「対話」より困難さを感じた。妥協してはいけないから、自分の考えを述べなければならない。全員納得の一つの問いを決めるから、相手の考えを聞かなければならない。そして、時間制限がある。この圧迫感の中での「テーマ出し」は、非常に大変だった。もし、これを30分で効率よく、スムーズにするならば、一人ひとりが出した案で「自分のこれ一番」と他のメンバーの「これ一番」を指名して、8つの案を真ん中に持ってきて、話し合う、っていうように、進めていく枠組みを提供しても良かったのかな、とも思った。「決める対話」と「決めない対話」、バランスよく、ミックスできると、いい「学び」の時間になるのかも。